PL・BS・CFの役割|経営・会計・業務の基礎
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経営・会計・業務の基礎(初級・読む30分+演習35分)
この授業のゴール
- 損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)が、それぞれどんな問いに答える表かを説明できる
- 売掛金・在庫・買掛金・設備投資・借入が、利益と現金をどうずらすかを、数値例で説明できる
- 1か月の取引から、営業利益と現金の増減(営業・投資・財務)を計算し、BSが釣り合うことを確かめられる
- 「利益が出ているから支払える」という判断の誤りを、入金・支払の時期を示して指摘できる
仕事でどう使うか
DXの提案や新規事業の計画では、「利益は出るのか」と同じくらい「お金(現金)は足りるのか」が問われます。利益が出ていても、入金より先に支払いが来れば、手元の現金が尽きます。これを黒字倒産と呼びます。
| 路線 | この授業の使いどころ |
|---|---|
| DS(データサイエンティスト) | 月次の売上・入金データを分析するとき、売上の日付と入金の日付を区別する。資金繰り予測の前提を作る |
| ML(機械学習エンジニア) | 入金予測・与信モデルの目的変数(売上か入金か、いつ時点か)を決める。将来の情報を特徴量に混ぜない |
| DX(DX推進・AI企画) | システム投資の支払時期(一括か分割か)と効果の出る時期を並べ、資金計画とPLへの影響(減価償却)を分けて説明する |
| RS(研究者) | 研究費の執行(いつ支払うか)と成果の時期の管理、大学発ベンチャーの資金計画に使う |
この授業の成果物は「1か月の利益と現金の増減を並べた表」です。意思決定では「この施策を今月始めても、支払いに困らないか」を判断するのに使います。
前提
次の言葉と計算を使います。不安があれば先に戻ってください。
- 売上高・売上原価・販管費・粗利・営業利益、売上は引き渡した時点で計上すること → 売上・費用・利益
- 単位と桁(万円・千円)→ 単位と桁と丸め
- 合計の手計算、正負の数の足し算 → 平均・合計・中央値を手計算
例は前回と同じ「みなと珈琲焙煎所」です。金額は架空、税抜、単位は万円です。税金の支払いは省略します。会計の一般的な考え方の説明であり、実際の処理は会社の会計方針と専門家の判断に従います。
身近な状況:利益は10万円、でも今月の支払いができない
みなと珈琲が、大口のカフェチェーンと新しく取引を始めた月の数字です(単位:万円)。
| 項目 | 金額 | お金が動く時期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 100 | 入金は翌月末 |
| 変動費(豆・配送) | 40 | 今月支払い |
| 固定費(人件費・家賃) | 50 | 今月支払い |
| 利益 | 10 |
利益は $100 - 40 - 50 = 10$ 万円の黒字です。しかし今月、銀行口座に入ってくるお金は0円で、出ていくお金は $40 + 50 = 90$ 万円です。今月の現金の増減は−90万円です。
月初の現金が60万円しかなければ、月末に支払いができません。「利益10万円」だけを見て「支払いは大丈夫」と判断すると、会社は困ったことになります。
この「利益と現金のずれ」を一目で見るために、会社は3つの表を作ります。この授業では、3つの表がそれぞれどんな問いに答えるのかと、利益と現金がずれる理由を計算で確かめます。
直感的な説明:成績表・財産の写真・財布の記録
3つの表を、身近なものにたとえます。
| 表 | たとえ | 答える問い | 期間か時点か |
|---|---|---|---|
| 損益計算書(PL) | 1か月の成績表 | この期間に、本業でいくら稼いだか(利益) | 期間(例:10月1日〜31日) |
| 貸借対照表(BS) | ある瞬間の財産の写真 | いま、何をどれだけ持ち、誰にいくら借りているか | 時点(例:10月31日時点) |
| キャッシュフロー計算書(CF) | 財布の出入りの記録 | この期間に、現金はなぜ増えた・減ったのか | 期間 |
PLは「稼ぐ力」、BSは「体力(財産と借金)」、CFは「血液(現金)の流れ」と言われることもあります。
3つはばらばらではなく、つながっています。
- PLの利益は、BSの純資産(株主のもの)を増やします。
- CFの現金の増減は、BSの現金を期首から期末へ動かします。
- PLとCFの差は、BSの売掛金・在庫・買掛金・設備・借入の変化として現れます。
たとえの限界:成績表のたとえでは「点数=お金」と思いがちですが、PLの利益は現金ではありません。利益が出ても、お金が売掛金や在庫の形でBSに留まっていることがあります。
正確な定義:3つの表と、利益と現金がずれる6つの理由
貸借対照表(BS)
$$\text{資産} = \text{負債} + \text{純資産}$$
- 資産:会社が持っている財産。現金、売掛金(売上は計上したが未入金の代金)、棚卸資産(在庫)(仕入れたがまだ売れていない商品)、設備など。
- 負債:将来払う義務。買掛金(仕入れたが未払いの代金)、借入金、前受金(代金を先にもらい、商品をまだ渡していない分)など。
- 純資産:資産から負債を引いた残り。出資された資本金と、これまでの利益の蓄積。
この等式はどの時点でも必ず成り立ちます。成り立たなければ、どこかの計算が誤っています。
キャッシュフロー計算書(CF)の3区分
| 区分 | 含まれるもの | 例 |
|---|---|---|
| 営業CF | 本業での現金の出入り | 売上代金の入金、仕入代金・給料・家賃の支払い |
| 投資CF | 設備などへの投資と売却 | 焙煎機の購入(マイナス) |
| 財務CF | お金の借り入れと返済、出資 | 銀行借入(プラス)、返済(マイナス) |
$$\text{期末の現金} = \text{期首の現金} + \text{営業CF} + \text{投資CF} + \text{財務CF}$$
利益と現金がずれる6つの理由
| 理由 | 利益(PL)への影響 | 現金への影響 |
|---|---|---|
| ① 売上が未入金(売掛金) | 売上を計上して利益が増える | 入金まで増えない |
| ② 仕入が未払い(買掛金) | (売れた分だけ費用) | 支払いまで減らない |
| ③ 在庫を仕入れた | 売れるまで費用にならない | 支払った時点で減る |
| ④ 設備を買った | 使う年数に分けて少しずつ費用(減価償却費) | 買った時点で一度に減る |
| ⑤ お金を借りた・返した | 利益にならない(利息だけが費用) | 借りれば増え、返せば減る |
| ⑥ 代金を先にもらった(前受金) | 引き渡すまで売上にならない | もらった時点で増える |
③の在庫について、売上原価は次の式で計算します。
$$\text{売上原価} = \text{期首の在庫} + \text{当期の仕入} - \text{期末の在庫}$$
たとえば期首在庫30万円、今月の仕入180万円、期末在庫78万円なら、売上原価は $30 + 180 - 78 = 132$ 万円です。仕入180万円をすべて今月の費用にするのではありません。
④の減価償却は、長く使う設備の購入額を、使う期間に分けて費用にする方法です。120万円の焙煎機を5年(60か月)で均等に費用にするなら、月 $120 \div 60 = 2$ 万円です(何年で償却するかは税法などのルールで決まり、ここでは説明用の数字です)。
営業CFは、利益から出発して次のように求めることもできます(間接法の考え方を単純化したもの)。
$$\text{営業CF} = \text{利益} + \text{減価償却費} - \text{売掛金の増加} - \text{在庫の増加} + \text{買掛金の増加}$$
減価償却費は「費用だが現金が出ていかない」ので足し戻します。売掛金や在庫が増えると、そのぶん現金が留まっているので引きます。買掛金が増えると、支払いを待ってもらっているので足します。
段階付き例題:12月の利益と現金を並べ、BSの釣り合いを確かめる
問題:みなと珈琲の12月の取引です(単位:万円)。12月の営業利益(ここでは利息を引いた後の利益も)と、現金の増減を区分ごとに求めます。月初の現金は200万円です。
| 取引 | 内容 |
|---|---|
| 売上高 | 300。うち店頭・通販の246は今月入金、卸の54は翌月入金 |
| 前月分の卸の代金 | 40が今月入金 |
| 仕入(生豆) | 180。うち120は今月支払い、60は翌月払い。前月分の仕入代金50を今月支払い |
| 売上原価 | 132(仕入180のうち48は売れ残り、在庫が48増えた) |
| 販管費 | 160。うち減価償却費2(現金は出ない)、残り158は今月支払い |
| 支払利息 | 2(今月支払い) |
| 焙煎機を購入 | 120(今月一括支払い。使い始めは来月) |
| 銀行から借入 | 100 |
ステップ1:利益(PL)。営業利益は $300 - 132 - 160 = 8$。利息を引くと $8 - 2 = 6$ 万円です。焙煎機の120と借入の100は、PLには入りません。
ステップ2:営業CF(直接、出入りを数える)。
- 入金:$246 + 40 = 286$
- 仕入の支払い:$120 + 50 = 170$
- 販管費の支払い:158、利息の支払い:2
- 営業CF:$286 - 170 - 158 - 2 = -44$
ステップ3:営業CF(利益から出発して検算)。売掛金は前月の40が今月の54になったので14増加。買掛金は50が60になったので10増加。在庫は48増加。
$$6 + 2 - 14 - 48 + 10 = -44$$
2つの方法で一致しました。
ステップ4:投資CF・財務CF・期末の現金。投資CFは−120、財務CFは+100。現金の増減は $-44 - 120 + 100 = -64$、期末の現金は $200 - 64 = 136$ 万円です。
ステップ5:BSの釣り合いを確かめる(12月中の変化だけ)。
| 資産の変化 | 負債・純資産の変化 | ||
|---|---|---|---|
| 現金 | −64 | 買掛金 | +10 |
| 売掛金 | +14 | 借入金 | +100 |
| 在庫 | +48 | 純資産(今月の利益) | +6 |
| 設備(+120 −償却2) | +118 | ||
| 合計 | +116 | 合計 | +116 |
左右が一致し、計算に誤りがないことが確かめられました。
ステップ6:意味を読む。利益は6万円の黒字ですが、現金は64万円減りました。理由は、在庫の積み増し(48)と売掛金の増加(14)で営業CFがマイナスになり、焙煎機の購入(120)を借入(100)で一部まかなったからです。来月以降は借入の返済も始まります。「12月は黒字だった」だけでは、資金の状態は分かりません。
操作して理解する:24か月の利益と現金の増減を比べる
内蔵データ company_monthly.csv は、架空の会社の24か月分の月次データです(単位:千円)。列は month(年月)、revenue_k(売上高)、cogs_k(売上原価)、sga_k(販管費)、cash_in_k(入金)、cash_out_k(出金)です。
下のコードは、pandas の read_csv 関数(引数:ファイルのパス、戻り値:表=DataFrame)で読み込み、月ごとの営業利益と現金の増減を計算します。
import pandas as pd
df = pd.read_csv('/data/company_monthly.csv')
df['op_profit_k'] = df['revenue_k'] - df['cogs_k'] - df['sga_k'] # 営業利益
df['net_cash_k'] = df['cash_in_k'] - df['cash_out_k'] # 現金の増減
print(df[['month', 'op_profit_k', 'net_cash_k']].head(8).to_string(index=False))
print('24か月の営業利益合計', df['op_profit_k'].sum(), '千円')
print('24か月の現金増減合計', df['net_cash_k'].sum(), '千円')
print('利益は黒字なのに現金が減った月:', list(df.loc[(df['op_profit_k'] > 0) & (df['net_cash_k'] < 0), 'month']))
出力の要点:
| month | 営業利益(千円) | 現金の増減(千円) |
|---|---|---|
| 2024-01 | 145 | −360 |
| 2024-02 | 221 | 183 |
| 2024-07 | 267 | 35 |
- 24か月の営業利益合計は7,523千円、現金増減合計は6,083千円で、1,440千円の差があります。
- 2024年1月は、営業利益が145千円の黒字なのに、現金は360千円減っています。
このデータには「なぜ出金が多い月があるのか」の内訳はありません。賞与の支払い、設備の購入、借入の返済などが考えられますが、データだけで理由を決めつけてはいけません。実務では、経理の担当者に出金の内訳(どの区分か)を確認します。
考える問い:
- 売上高の合計(28,876千円)と入金の合計(28,236千円)の差640千円は、上の6つの理由のどれで説明できる可能性がありますか(ヒント:売上が伸び続けている会社)。
head(8)をtail(6)に変えて、直近の月も確かめましょう。
発展:運転資本、黒字倒産、3つの表の限界
運転資本と、成長するとお金が足りなくなる理由
売掛金+在庫−買掛金を、ここでは運転資本(商売を回すために寝かせているお金)と呼びます。売上が伸びると、売掛金と在庫も増えるので、運転資本が増え、そのぶん現金が必要になります。成長している会社ほど、現金が不足しやすいのはこのためです。
運転資本を減らす改善策は、AIを使わなくてもあります。
- 入金を早める(請求書を早く出す、支払い条件の交渉、カード払いの導入)
- 在庫を減らす(発注量の見直し、需要予測)
- 支払い条件を見直す(取引先との合意の範囲で)
このような改善は、一度だけ現金を生み出しますが、利益は増やしません。在庫を48万円減らすと現金は48万円増えますが、PLの利益はそのままです(数値と現場の接続 で扱います)。
直接法と間接法
ステップ2のように入金と支払を数える方法を直接法、ステップ3のように利益から調整する方法を間接法と呼びます。公開されている決算書では間接法が多く使われます。ここでの式は、税金・引当金などを省いた単純化です。
3つの表の限界
- BSはある時点の写真です。月末だけ現金を多く見せるといった、時点のゆがみがあり得ます。
- PLの利益には、減価償却の年数などの見積りが含まれます。
- 月次の表は年次決算ほど精密ではありません。分析に使うときは、速報値か確定値かを確認します。
よくある失敗
失敗1:利益が出ているから、支払いができると判断する
誤った判断:「今月は利益10万円の黒字なので、来週の支払い90万円も問題ありません。」
売上100万円の入金が翌月末なら、今月の入金は0円です。現金は $0 - 90 = -90$ 万円で、月初の現金が90万円未満なら支払えません。
直し方:支払いの可否は現金の予定表(資金繰り表)で判断します。PLの利益と別に、「いつ、いくら入り、いつ、いくら出るか」を週や月ごとに並べ、残高がマイナスにならないかを確かめます。
失敗2:設備の購入額を、その月の費用として扱う
誤った計算:「12月は焙煎機120万円を買ったので、営業利益は 8−120=−112万円の大赤字です。」
焙煎機は何年も使う設備です。PLでは購入額を一度に費用にせず、使う期間に分けて減価償却費として計上します(5年で均等なら月2万円)。一方、現金は購入した月に120万円減ります。
直し方:投資の説明では、「PLへの影響(毎月の減価償却費)」と「現金への影響(支払った月に一括)」を分けて書きます。分割払いやリースなら、現金の出方がさらに変わるので、契約条件も確認します。
失敗3:借入で増えた現金を、利益や業績の改善と報告する
誤った報告:「12月は現金が100万円増える見込みなので、業績は順調です。」(実際には銀行から100万円を借りた)
借入は財務CFで現金を増やしますが、利益ではなく、将来返済する負債です。営業CFが−44万円なら、本業では現金が減っています。
直し方:現金の増減は、営業・投資・財務の3区分に分けて報告します。「本業(営業CF)で現金を生んでいるか」を最初に見ます。
まとめ
- PLは期間の利益(稼ぐ力)、BSは時点の財産と借金(資産=負債+純資産)、CFは期間の現金の出入りを表す。
- 利益と現金は、売掛金・買掛金・在庫・設備投資(減価償却)・借入・前受金の6つの理由でずれる。
- 現金の増減は営業・投資・財務に分け、本業で現金を生んでいるかを営業CFで見る。
- 支払えるかどうかは利益ではなく、入金と支払の時期を並べた資金繰りで判断する。
- 在庫削減や入金条件の改善は現金を増やすが、利益は変えない。効果を書き分ける。
用語
- 損益計算書(PL)(profit and loss statement / income statement)
一定期間の売上・費用・利益を表す表。
- 貸借対照表(BS)(balance sheet)
ある時点の資産・負債・純資産を表す表。資産=負債+純資産が常に成り立つ。
- キャッシュフロー計算書(CF)(cash flow statement)
一定期間の現金の増減を、営業・投資・財務の3区分で表す表。
- 売掛金(accounts receivable)
売上として計上したが、まだ入金されていない代金。
- 買掛金(accounts payable)
仕入れたが、まだ支払っていない代金。
- 減価償却(depreciation)
長く使う設備の購入額を、使う期間に分けて費用にする方法。現金の支出は購入時に起きる。
- 黒字倒産(insolvency despite profit)
利益は出ているのに、現金が不足して支払いができなくなること。
よくある質問
なぜ利益と現金の両方を見る必要があるのですか?
利益は「稼ぐ力」、現金は「支払う力」だからです。利益が出ていても、入金が遅く支払いが早ければ現金が尽きます。逆に、借入で現金が多くても、利益が出なければいずれ返済できなくなります。どちらか一方では、会社が続くかを判断できません。
PLとCFの違いを一言で言うと?
PLは「いつ稼いだか(引き渡した・使った時点)」で数え、CFは「いつお金が動いたか」で数えます。同じ取引でも、計上する月が違うことがあります。売掛金・在庫・買掛金・設備・借入が、その差の正体です。
どこで失敗しやすいですか?
①利益を現金と同じと考える、②設備購入をその月の費用にする、③借入を業績の改善と報告する、④在庫の仕入を全額その月の費用にする、の4つが典型です。営業・投資・財務の3区分で現金を分け、BSの釣り合いで検算すると防げます。
支払い条件(入金・支払いの時期)が変わると、何が変わりますか?
現金の動きの時期だけが変わり、利益は変わりません。入金を1か月早めると、売上1か月分の現金が一度に増えます。成長中の会社や、大口の取引を始めるときは、この効果が資金繰りを大きく左右します。
DXの提案資料では、3つの表をどう使えばよいですか?
「PLへの影響(毎月の費用削減・減価償却費)」「現金への影響(いつ、いくら支払い、いつ効果のお金が入るか)」「BSへの影響(設備・在庫・借入の増減)」を分けて書きます。投資判断では、利益が増えるかに加えて、支払いの時期に現金が足りるかを必ず確かめます。
データ分析で売上データを扱うとき、何に気をつければよいですか?
その日付が「注文日」「出荷日(売上計上日)」「入金日」のどれかを確認します。売上分析は計上日、資金繰りは入金日が基準です。予測モデルで入金を予測するときは、予測する時点で分からない情報(実際の入金日など)を特徴量に混ぜないようにします。
確認問題
問1 「10月31日時点で、売掛金と借入金がいくらあるか」を知りたいとき、見るべき表はどれですか。
- ① 損益計算書(PL)
- ② 貸借対照表(BS)
- ③ キャッシュフロー計算書(CF)
- ④ 売上明細
解答と解説
正解:②
ある時点の財産(資産)と借金(負債)を表すのは貸借対照表です。
問2 今月の売上100万円は全額が翌月入金、今月の支払いは90万円、利益は10万円です。今月の現金の増減として最も適切なのはどれですか(他の取引なし)。
- ① +10万円
- ② +100万円
- ③ −90万円
- ④ 0円
解答と解説
正解:③
今月の入金は0、支払いは90なので、現金は90万円減ります。利益10万円は現金の増加ではありません。
問3 120万円の設備を現金で購入し、5年で均等に減価償却します。購入した月の影響として正しいのはどれですか。
- ① PLの費用が120万円、現金が120万円減る
- ② PLの費用は月2万円程度、現金はその月に120万円減る
- ③ PLの費用もなく、現金も減らない
- ④ PLの費用が120万円、現金は月2万円ずつ減る
解答と解説
正解:②
PLは使う期間に分けて費用にし(120÷60か月=月2万円)、現金は支払った月に一括で減ります。
問4 銀行から300万円を借りました。この取引の説明として正しいのはどれですか。
- ① 売上が300万円増える
- ② 利益が300万円増える
- ③ 現金と負債(借入金)がそれぞれ300万円増え、利益は変わらない
- ④ 純資産が300万円増える
解答と解説
正解:③
借入は財務CFで現金を増やし、同時に返済義務(負債)を増やします。利益には利息だけが費用として影響します。
問5 期首の在庫が30万円、今月の仕入が180万円、期末の在庫が78万円のとき、今月の売上原価はいくらですか。
- ① 180万円
- ② 228万円
- ③ 102万円
- ④ 132万円
解答と解説
正解:④
売上原価=期首在庫+当期仕入−期末在庫=30+180−78=132万円です。
問6 在庫を48万円減らす改善を行いました(売上・粗利は変わらない)。正しい説明はどれですか。
- ① 利益は変わらないが、仕入を減らしたぶん現金が48万円増える(一度限り)
- ② 利益が48万円増え、現金も48万円増える
- ③ 利益が48万円増えるが、現金は変わらない
- ④ 利益も現金も変わらない
解答と解説
正解:①
在庫の削減は、BSで寝ていたお金を現金に戻します。PLの売上原価は売れた分なので、利益は変わりません。効果は一度限りです。
次に学ぶこと
次は 固定費と変動費 で、費用を「売れた量に比例する変動費」と「比例しない固定費」に分けます。改善案が利益をいくら動かすかを計算する土台になります。
利益と現金の違いは、数値と現場の接続 の改善案の比較や、「ROIと回収期間」(有料版) のROI・回収期間でも繰り返し使います。売上の計上時期に不安があれば 売上・費用・利益 に戻ってください。
この授業の確認問題だけでモジュールの習得とはしません。DX01 の総合テストと自力課題で判定します。
キャリア学習:データサイエンティスト・機械学習エンジニア・DX推進・研究者を目指す人の学習アプリ。164モジュール・984授業を、ブラウザで動くSQLとPythonの演習で。基礎と各分野の最初のモジュールは無料。全部は2,980円の買い切り。
アプリを無料で開く有料版と無料版の違い